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物語ラテン・アメリカの歴史―未来の大陸 (中公新書)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 23300 位
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日本人にとってラテン・アメリカとは?
私達にとって、この地域は解っているようで実は殆ど解っていないようなところではないか?幾つかの国名、独特のダンス・ミュージック、謎めいた古代文明の痕跡といったものはよく知られていようし、ここには古くから日本人移民が多く、日系人大統領まで出現した国もある。にもかかわらずトータルとしては何か隔靴掻痒な思いも禁じ得ない。この本は中南米の通史を語ることで、この隔靴掻痒感をかなり解消してくれる働きがあるようだ。当たり前の事かもしれないが、ラテン・アメリカは著しい混血性によって特徴づけられている。ここに深く関与した欧州諸国はスペイン、ポルトガルだけではない。オランダもイギリスもそうだし、もちろんアメリカも同様である。さらに原住民インディオ、アフリカから連行された黒人たち、こういった諸民族が複雑に混淆している。メスティソ、ムラト、或いはアウディエンシア、エンコミエンダ、カウディーヨ、クリオーヨといったこの大陸ならではの言葉と存在がペルソナ(仮面)のごとくに浮かび上がり、舞い踊っている。シモン・ボリヴァル、トウーサン・ルヴェルチュールといった人名も。これは未来への偉大な可能性なのか、単なる華やかな混沌に過ぎないのか・・・。とにかく解ってるようで解らないこの国々への入門書として本書は良い出来映えだと思う。
したたかなラテン・アメリカの人たち
南米大陸の古代文明はコルテスとピサロの征服によってスペイン化・ポルトガル化・カトリック化するのであるが、被支配階級の人たちのしたたかさは既に、アステカ王モクステーマの威厳、インカ王アタワルパの勇敢に現れている。新大陸原住民とアフリカから連れてこられた黒人奴隷を白人が搾取し、イベロ・アメリカという社会構造が成立する。近世の独立運動も新大陸の白人系の支配階級の母国スペインに対する反発という性格が強く、原住民、黒人、メスティソ(原住民と白人の混血)、ムラート(黒人と白人の混血)から構成される底辺の一般庶民の解放運動とはおもむきが違う。今日の南米の政情不安もその現われだろう。それでも彼らはカトリックを受け入れつつ古代からの風習を絶やさずしたたかに生きている。
ラテンアメリカを理解する
メキシコを含むラテンアメリカ歴史をコンパクトにまとめた本。アフリカで発生した人類が氷河期で陸地となっていたベーリング海峡を渡って南米に移ってきたため、他の歴史シリーズと異なり先史の地学的説明も加えられている。広大な地域をコンパクトに整理してまとめてあり、興味深い人物の紹介も生きた人間像が伝えられる。スペイン(ブラジルはポルトガル)統治を軸とする時期と後ろにイギリス、米国が産業資本として影響力を及ぼす形での独立の時期の二つに分けて流れが理解できる。カウディーニョに代表される縁故的利害関係を軸とした政治投資の流れが、今も行き続けていることがよく分かる。現代のラテンアメリカを理解するのに、分かりやすい歴史シリーズの中の傑作の一つ。
中央公論社
物語 メキシコの歴史―太陽の国の英傑たち (中公新書) ラテンアメリカの歴史 (世界史リブレット) 物語 ウクライナの歴史―ヨーロッパ最後の大国 (中公新書) 物語 中国の歴史―文明史的序説 (中公新書) 物語 スイスの歴史―知恵ある孤高の小国 (中公新書)
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